離見の見
この言葉知っているでしょうか。
たまたまですが、
「FOOT✕BRAIN」という番組を見ていると、
この言葉が出てきました。
「風姿花伝」を書いた “ 世阿弥 ” 。
その世阿弥が能楽論書「花鏡」
で述べた言葉です。
演者は3つの視点を意識することが
重要だと述べています。
1つ目が「我見(がけん)」。
役者自身の視点です。
2つ目が「離見(りけん)」で、
観客が見所(客席)から舞台を見る視点です。
3つ目が「離見の見(りけんのけん)」。
これは役者が、観客の立場になって自分を見ること。
客観的に俯瞰して全体を見る力です。
役者は演じながら、同時に観客にはなれない。
けれど観客と同じ気持ちになろうと
努力することはできる。
世阿弥は、観客から自分がどう見られているか
を意識しなさいと説いているわけです。
全体の中で自分を客観的に見ることは、
能の世界だけでなく、一般社会や仕事、
もちろんサッカーでも求められます。
“ 相手を見ろ ” とよく言いますが、同時に
“ 自分がどう見られているのか ” を考えれると、
判断は異なってきませんか⁉
一生懸命になりすぎると「我見」のみになります。
当事者意識に欠ける人、人に任せの人は、
いつの間にか「離見」になっていませんか?
その時々の姿を自分で見ることはできませんし、
一生懸命やっているとき、上手く行かないときほど、
「我見」に陥りやすいと思います。
だからこそ、「離見の見」が必要です。
出るタイミング、引くタイミング。
全ては自分のタイミングで動くのではなく、
全体の流れの中で決まってくる。
自分がどうしたいのか。
相手はどうしたいのか。
味方はどうして欲しいのか。
各々の視点では解決できない問題でも、
全体として調和の取れる解決策があれば
解決する問題もあります。
いつでも全体から自分を見る
冷静かつ客観的な視点を持つ。
そんな視点を持つことが出来ると、
日常の振る舞いも変わってくると思います。
まずは、ありのままに自分を観察すること。
自分に対して冷静で客観的な視点を持てれば、
いつでも一歩引いて自分の立ち位置を
確認できるようになります。
“ 離見の見 ”
このような考え方も、
積極的に活用していきましょう!